True Blood 第10話鑑賞

さーて、今週のトゥルーブラッドさんは、サムの正体は思ったより予想外!、タラちゃん素直になる?、人間が吸血鬼のペットで吸血鬼が人間のペット?の三本立て!・・・というわけで、相変わらず盛りだくさんの内容でした。全裸は冒頭のサムだけで、珍しく絡み率低めの回でしたが、面白さは今までの中でもトップ3くらいかもしれません?!

以下ネタバレです。

サムの正体

わんこ人間じゃなかったんだ!!!(こら)
何にでも変身できるって、それは魔法使いマーリン並みのすごい能力の持ち主なんじゃ?!(あ、頬骨がキュートなドジッ子魔術師の方じゃなくて、「王様の剣」や「アーサー王の死」の方の本物?の方の) これは、やろうと思えば世界だって手に入れられそうな、すごい能力だと思うんですが、サムは生い立ちがあまりにも不幸すぎて、とにかく居場所があればいいんだ、という欲のなさを感じました。

今までどうもサムは好きになれなかったけど、養子で、変身能力があると分かったら、夜逃げ同然に養父養母に捨てられ・・・むしろよくあんなに優しい人に育ったなあ><と、印象が180度変わってしまいました(←たんじゅん)。
マーロッテのオーナーとして成功するまでに、一体どれほどの苦労をしてきたのか。あまり話したがらないサムですが、今後少しずつでも描かれていくのかな?

サムに対して「大切な事を隠していた!私の事を信頼していないのね!」と逆ギレしているスーキーにはびっくり。あんなに辛いトラウマを抱えている人が、愛した人間にまた捨てられたら・・・と思うと、正体を伝える事に臆病になってしまうのは無理もないですよね。スーキーちゃん、まだまだ青いのう。

なんだか今回のサム踏んだり蹴ったりでしたね。タラには悪魔払いが(やっぱり)でっちあげだったと判明して八つ当たりのサンドバッグ代わりに使われ、アーリーンは悪気は全然ないんだけどハイパー図々しいしw 早くサムを幸せにしてあげたいです。あ、でもそれじゃドラマ的にはつまらないのかもw

ビルの裁判

しばらくエリックに浮気してしまっていましたが、今週はビルに焦点が当たっていてカッコよかったですv 

「銀の鎖につながれて棺桶に何年も閉じ込められるよりも、自分と同じような被害者を自らの手で増やしてしまう事の方が辛い」というのは、いかにもビルらしいな、と思いました。結局は従うほかなかったのですが><

しかし情けをかけているつもりが、却ってあの子にとっては恐怖倍増だったんじゃないかと・・・。でも優しいビルの事なので、仲間に引き入れただけで後は放ったらかし、なんてことはないだろうし、しばらくは「新人研修」で忙しくて、スーキーの元にも中々行けなさそう・・・。

スーキーのサムやタラに対する態度を見ていると(アーリーンの結婚パーティーでのふてくされようも)、最近ちょっとワガママというか、周りに対する甘えが強くなっているので、ビルが新人にかかりきりになると、今後の関係がヤヤコシくなりそうですよね。

吸血鬼の裁判官は、懐かしい24の第一シーズンのヴィランというか、最近はメンタリストの第一話のヴィランというか、なんだかもうあまりにも色々なドラマで見かけている気がするのに、未だにちゃんと名前が読めないZeljko Ivanek さん(ジェリコさん、でいいのかな)。元々色白なので、メイク全然いらなさそうv 「吸血鬼の裁判官」なんて、下手に演じるとコントみたいに現実味のないキャラになっちゃいそうですが、ジェリコさんは冷血なインテリの役が似合うので、超ハマリ役!でしたねv 新しいシーズンでも登場シーンがあるようなので、また出てきてくれるのが楽しみです(おそらくビルかエリックあたりが事件に巻き込まれないと出てこないので、それも困りものですが)。

ところで、エリックはビルに対して常にいばりんぼでしたが、今回はちゃんと裁判で助け舟を出してくれて、ちょっと意外に思いました(こら)。が、よく考えてみたら、プライドが高いだけで邪悪な人ではないので、公正である事、肝心な時に嘘はつかない事は、キャラ的に矛盾はないんだと気が付いて、ちょっと面白かったです。
まあ細かい事を言えば、ビルが「ロングシャドウは、エリックの金を横領していた」「スーキーは、横領犯人探しのためにエリックの要請で連れてきた」と、きちんと自分で弁護していたのに対し、エリックは嘘を付かずに相槌を入れていただけ、なので、エリックは積極的に助けていた訳ではないのですが。そんなツンデレ(といってもデレ率0.01%くらい)な所がエリックさんらしいです。

人間が吸血鬼のペットで吸血鬼が人間のペット?

RIPおじさん吸血鬼><!!
エイミーに拉致された瞬間から既に死亡フラグ立っていたけれど!それにしても、拘束されたまま血を取られ続けた挙句に、逆切れしたジャンキーに突然殺されるなんて、あまりにもヒドすぎる最期・・・。

ジェイソンがおじさんにトゥルーブラッドをこっそりとあげていて(捨て犬育ててる小学生みたいでした・・・)、エイミーがおじさんを虐待するのを快く思っていない事を教えられた後のエイミーの反応は本当に異常ですよね。虐待を反省するどころか「ジェイソンが自分に黙ってトゥルーブラッドを与えていたのは、自分に嘘をついていたのと同じ」と考える自己中心ぶり。
字幕には出ていなかったけれど、まさに、おじさんの言う通り、エイミーはサイコパス・・・・。逃げてジェイソン、超逃げて><

エイミーがジェイソンに提案した、「このままならおじさんはストックホルム症候群になるだろうから、連れて三人で旅して暮らそう。お金に困ったら血を売ろう」という発想もスゴいですよね。ヤギや羊を連れてキャラバンしてるんじゃないんだからw それに対して「みんな仲良しに暮らせるの?ペットみたいに? :D」くらいにしか思ってないジェイソンの純粋さが、愛おしいやら悲しいやら。

ところで、True Bloodの脚本家さんは、人間の残酷さと吸血鬼の残酷さを対照的に描くのが上手いですよね。今回もビルの裁判で、裁判官が「人間など吸血鬼のペットだ」と発言し、一方、エイミーとジェイソンはおじさん吸血鬼をペットにしようとしている。どちらも自分が相手を支配できている思っているのが、滑稽なような恐ろしいような。

昔ながらの吸血鬼物語だと、大部分の人間は「狩られる」対象で、ごく一部の人間が、吸血鬼を「退治する」という視点が一般的なように思いますが、True Bloodでは「Vドラッグ」という要素を入れた事で、人間が吸血鬼に対して支配的になる事も出来る、という発想の転換が新鮮ですよね。あ、人魚と人間がお互いを食べる事で不老不死になろうとする、高橋留美子の「人魚の森」にも近いものがありますね。

一方、吸血鬼に対して、「狩られる」でも「退治する」でも「ペットにする」でもなく、持ちつ持たれつで上手に共存する、という新しい関係を作り上げていたのが、ラファイエット対立する二項のバランスを「立派な平和思想」ではなく、「たくましい商魂」がとりもつって、銀河英雄伝説かい、と思ってしまいました(オタクですみませんw)。

相変わらずつらつら思いつくまま書いてしまいましたが、うっかりすると「トンデモドラマ」になってしまいそうなギリギリの所で、こういう構造的な面白さを入れて、ふんばってくれてるなあと、今回も感心してしまいました。次回も楽しみ!ですv