魔術師マーリン第9話「魔法の剣(つるぎ)」 Excalibur

 


<公式サイトから>
成人を迎えたアーサーを公式に皇太子と定める式が宮殿で行われる。儀式の最中、突然全身黒ずくめの騎士が飛び込んでくる。正体不明の黒騎士が籠手(こて)を投げつけて決闘を挑むと、騎士団のひとりオウェインがその挑戦を受ける。

マーリンから黒騎士の紋章の心当たりを聞かれたガイアスは、知らないと答える。だが実はガイアスはその紋章に見覚えがあった。それは20年前にウーサーとの決闘で死んだトリスタンのものだった。

トリスタンとイゾルデはあの「白い帆、黒い帆」のシーンを思うと、ランスロットとグウィネヴィアの「開き直り不倫」よりもずっと応援してあげたくなる悲恋のカップルでしたが、もう出番はないのですね・・・残念。
そしてキャメロット「魔法を使う=死刑」というスペイン異端審問会状態になっているのは、愛妻家ウーサーの逆恨みだったことが判明。わ、分かるけど・・・仲間を大勢殺されてしまったニムウェが、ちょっと可哀そうになってきました・・・。 
 ←スペイン異端審問会の図

エクスカリバー


まず最初に、ディズニー映画でおなじみ「アーサーが石から抜いた剣」ですが、あれと今回の「湖に捨てた剣」は別のものです。前者は「エクスカリバー」と呼ぶ人もいるけれど名称不明とする人が多いです。後者の「湖に捨てた剣」こそが「エクスカリバー」。
20091115023708
伝説では、跡継ぎを決めずにウーサーが亡くなり、「ウーサーの正当な後継者のみがこの剣を抜くことが出来る」としてマーリンが石に剣を突き刺します。キャメロットに仕える騎士エクター卿の養子として育った15歳のアーサーは、偶然この剣を引き抜き、自分がキャメロットの王子であったことが分かる。名シーンですが、ドラマ版ではアーサーは実父ウーサーの元で大事に育てられているので登場しないのかな・・・と思います。ちょっと残念。

この「アーサーが石から抜いた剣」が戦闘で二つに折れてしまった時に、湖の乙女が湖からにょっきり手だけ出して授けた剣(←乙女ったら横着/違)エクスカリバーウィキペディアさんによれば、タロットカードのソードのエースの元になったそうです。だから手と剣のクローズアップなんですね。


アーサー王伝説に興味がないと「ドラゴンに人に見つからない遠い所へ持って行けと言われたのに、なんでマーリンは徒歩圏内の湖にポイしたの?」と思いそうなラストシーン。
 


伝説では、アーサーは亡くなる直前に、強力すぎる武器であるエクスカリバーを湖の乙女に返すため、部下に託して剣を湖に捨てさせているので、マーリンは知ってか知らずか正しい選択をしたようです。

ドラマではエクスカリバーを授かった途端に封印。トリスタンという有名キャラを再登場は多分なし。残念ですが、見れば見るほど「子供のためになるドラマ」として制作されていると強く感じるので、魔法はこっそりとしか使えず、「持つ者が戦いの場で決して血を流すことはない*1エクスカリバーのような強力すぎる武器はあえて封じて、アーサーとマーリンに自力で試練を乗り越えて成長してほしいのでしょうね。

好きなシーン:ウーサーとアーサーのツンデレ

アーサーは、伝説上では生まれて間もなく養子に出されて従士として育った、ちょっと苦労人ですが、このドラマではボンボン育ち。
でも王子の地位に胡坐をかくのではなく、たとえば怪物がキャメロットを襲撃する度に、ウーサーに「討伐してきなさい」と自殺行為のような命令を繰り返されても、常に先頭に立って戦う、「次代の王」としての自覚と誇りを持った立派な皇太子だと思います。今回も、騎士が二人も犠牲になったのを見ていられず、自分がトリスタンと戦うと言いだすシーンのアーサーは男らしか!でした。


結局ガイアスに一服盛られて眠ってしまったので、オイシイ所はパパがエクスカリバーごとかっさらってしまいましたが、ウーサーが「そなたは何よりも大切だ。この王国すべてよりも、余の命よりも」と初めて愛情を分かりやすく表現してくれたのに戸惑って、「僕はずっと、父上にとって期待外れなのだと思っていました」とつぶやくシーンが印象的でした*2

子供向けに単純化(とオリジナル展開てんこ盛り)したドラマと思わせておいて、何でも持っているようで不器用なアーサーの心情をちゃんと描いてくれるあたりが、やっぱり好きですこのドラマv

おまけ

グウェンがすごく可愛かったのでちょっとだけ画像。アーサーとよりマーリンの方がお似合いだと思いますv 靴下のくだりとか最高w
 


にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ  
にほんブログ村

*1:正確にはエクスカリバーではなくその鞘

*2:吹替えなし・字幕なしで見ているので、訳が違います。ごめんなさい