魔術師マーリン第12話「憎しみと哀(かな)しみの間(はざま)に」 To Kill the King

<公式より>
グウェンの父トムが魔法使いトーレンのために武器を作ったとして逮捕されてしまう。トーレンはウーサー王を倒すと公言している魔法使いたちのリーダーだ。しかしトムはトーレンの正体を知らずに、実験に使うものを作るという仕事を引き受けただけだった。トムを反逆罪で死刑にするというウーサー王に、モルガーナはトムの無実を訴えるが無駄だった。グウェンのためにもなんとかトムを救いたいモルガーナは、ある行動に出るが…。

うーん、今回はアーサーの出番がほとんどなかったので、短縮です。自分で思っている以上に、マーリンよりもアーサーの活躍を楽しみにしていたことが今回で分かりました。

 
今回のファンタジー要素は賢者の石、つまり錬金術。・・・って、本気でアーサー王と全く関係ないです。
トーマス・マロリーの「アーサー王の死」で見る限り、マーリンの魔法は子供に変身したり、王様を別の王様の姿に変えたり、剣を石に突き刺して「正当な王位継承者しか抜けない」ようにしたり、旅行のパッキングをしたり(それはディズニー)、見た目にも派手で夢のある「いかにも魔法!」という感じ。錬金術のようにマニアックでダークな感じではないですよね。錬金術は、それだけで一つドラマが作れてしまいそうなネタなので、なんだかモッタイナイ気も。



使用人というより友達のように心を許しているグウェンの父が逮捕され、父王に歯向かうものの、どうにもできないアーサー。

 
ただ娘に少しいいだけいい暮らしをさせてあげたかっただけなのに。これがお別れになってしまうとは。

 
ウーサーに猛然と抗議し、牢に入れられてしまったモルガーナ。出してやるアーサー。なんだかアーサーが大人に見えます。というか、モルガーナがアーサーに頼んで手回ししてからグウェンパパに鍵を渡せば、あんな無茶苦茶な脱獄劇は起きなかったはずなんですが。ちょっとヒドいですよね。


元々、ウーサーが友人であったモルガーナの父に援軍を送らなかったせいで、モルガーナは孤児になったわけで。今どれだけ大切に育ててくれていても、その恨みは消えない・・・のかもしれません。


 
魔法使いとして、ウーサーなんかいなくなっちゃってもいいよ、もう。な気分だったマーリン。でも、父を無実の罪で失ったのに「復讐はしない、それでは人殺しと同じになってしまうから」という心優しいグウェンの言葉のお陰で、ウーサーと、ウーサーのせいで(?)人を殺してしまう所だったモルガーナを救いに来たマーリン。
でも大事な時に気を失っちゃうのがマーリンクオリティー。魅惑の瞳の妖精親子の杖、ちゃんと持ってたのね、マーリン。

でもドラゴンじいちゃんのアドバイスは「放っておけ」そうなのよ。ウーサーが隠居してくれないと、いつまでたってもアーサーが王様にならず、マーリンも大手をふって魔法が使えない。この先どうやっていくつもりなのでしょうか?

最終回の予習「Le Morte d’Arthur」


ついに最終回。この人が帰ってきます。ニムウェ姐さんお美しい。

最終回のタイトルはLe Morte d’Arthur アーサーの死。
えええ、死んじゃうの?! ハイ、死んじゃいます。最後には。じゃなくって、Le Morte d’Arthur は、アーサー王伝説の原典として一番有名なトーマス・マロリーの「アーサー王の死」の原題。
つまり、こんだけ好き勝手しておきながら、制作チームは「ちゃんと原作読んでますがな、好きでっせー!」というメッセージを送ってくれているんですね。まあ、結局最終回のストーリーは、こんなエピソード原作のどこにもないぜ!って感じですが 

アーサー王物語が好きなのは、理想の王国を築いた理想の王であるアーサーが、最後には我が子の裏切りで全てを失い、亡くなってしまうから。この悲劇性があるから、一見能天気に見える冒険譚にも深みが増すんですよね。でもこのBBCのドラマ版ではどう転ぶのか全く予測がつかないのがちょっと不安。ただ、ドルイドの子供がよくこんな子見つけてきたなというくらいに「何かありそうな目」で、アーサーと一緒のシーンではとても不穏な雰囲気を醸し出しているので、それほど期待は裏切られないんじゃないかと思います。ただ、アーサーが王国作る前にメインイベントが全部終わってしまいそうな事だけが心配です


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