Wikileaks創設者インタビュー「命を賭したジャーナリストが少なすぎる」


「悪い方のARATA君」・・・ではなく、Wikileaks創設者のジュリアン・アサンジ


7月25日のアフガン内部告発文書発表の少し前、7月14日にガーディアンに掲載されたインタビュー。
生い立ちからWikileaks設立の経緯、どこかアンディ・ウォーホルを思わせる容姿と一筋縄ではいかない受け応えの様子、Wikileaksの最近の成果(アフガンでの米軍による民間人誤射ビデオなど)を駆け足で見た後、最後に象徴的な発言が。

アサンジュ「あるジャーナリズムに関する学会で『1944年以来、1000人のジャーナリストが命を落とした』というポスターを見かけ、憤りを感じた。1944年以来、亡くなった警察官は何人いる?」

私(インタビュアー)は、アサンジュがジャーナリストの犠牲の多さを嘆いているのだと受け止めたが、間違いだった。アサンジュの主張は正反対だった。あまりにも少ない、と言っているのだ。
「たった1000人!」私が誤解している事に気付き、アサンジュの声が少し大きくなる。「1944年以来、交通事故で亡くなった人の数は?おそらく4万人くらいだ。犯罪を抑止する職務にある警察官は、もっと多くが亡くなっている。真剣に職務に取り組んでいるからだ」私は「ジャーナリストだって真剣に取り組んでいる」と食い下がったが、否定された。「亡くなった1000人のほとんどはイラクのような地域への特派員だ。欧米のジャーナリストはほとんど亡くなっていない。欧米のジャーナリストが職務で命を落としたり、逮捕された事がほとんどない事は、国際的に見て恥だ。昨年アメリカで逮捕されたジャーナリストは何人いる?人口3億人の国で?イギリスでは昨年何人のジャーナリストが逮捕された?」

内部告発者を技術で守り、国際レベルの機密を引き出すWikileaks自体は素晴らしい仕組みだと思いますが、アサンジュはどこまで信用していい人物なのか、まだちょっと図りかねます。それでも、上記の「命を落としたジャーナリストの数は少なすぎる」という主張は、今思えばあの大量の文書発表への覚悟でもあったんですね。そのうちアメリカかパキスタンの政府に暗殺されるかもしれませんが、そのくらい覚悟のうちなんでしょう。