True Blood第5話鑑賞

きょうのハイライトその1:ビルが吸血鬼になったきっかけ

よく考えたらネタバレもいいとこなので、以下たたみます。しつれいしました!




ビルは、南北戦争に従軍していた兵士だったんですね。妻と二人の子供の待つ家へ、命からがら帰還する途中で吸血鬼の罠にはまり、二度と家族に会えない身の上になってしまった。

決して自ら選んだわけではなく、吸血鬼の誘惑に負けたわけでもなく。ほとんど不意打ちでレイプされてしまったような悲劇。元が(今も)高潔で紳士的であったが故というのが余計に視聴者のビルへの共感を誘ってしまいます。ズルいぞ、もっとやれー(こら)。

面白いのは、ただ咬まれただけとか、Vドラッグを飲んでも吸血鬼化はしない。吸血鬼に血を吸われた後、その吸血鬼の血を飲む、という2段階を踏むことで吸血鬼化する。アン・ライスの「吸血鬼レスタト」シリーズと同じですね。アン・ライスが考えた方法なのか、何か起源があるのかはよく分かりませんが、なんとなくレスタトシリーズと似た所もある(吸血鬼といえばヨーロッパ、ではなくアメリカ、それも南部のルイジアナ州が舞台。吸血鬼が現代社会に紛れ込んでいて、ドラキュラさんみたいに分かりやすく異形の者ではない。吸血鬼の回想がある意味アメリカ史になるetc)ので、トゥルーブラッドの原作者さんは、ライス女史リスペクト!の方なのかな。
・・・あ、ルイジアナ州でフランス人が入植したからBon Tempsなんてフランス風の地名なんですね。今気が付きました。ん?Bons Tempsじゃないのはわざと?

きょうのハイライトその2:ビルが体験した南北戦争

実は、教会でビルが話した南北戦争時のエピソードからは、どこか吸血鬼になる素質も見え隠れしていたような・・・。
敵軍から丸見えの場所で泣きわめく負傷した少年兵を、友軍を救うために射殺しようしていた部分。もちろん、少年を撃つ事で味方全員を助けられるので、あえて辛い役目を引き受けようとしたのかもしれません。原作を読めば、もう少しこのあたりの心理や経緯が分かるのでしょうか。・・・って、読まないぞ、もうこれ以上積読リスト増やさないぞ><

ビルの講演は彼への偏見を180度引っくり返す内容。
今までこの保守的な南部の町が「自分たちと違う異物」として差別し、遠巻きにしていた対象が、実は南北戦争の勇敢な兵士であり、愛国者であり、最初の入植者であり・・・と、保守的なアメリカ人にとって尊敬すべき要素てんこ盛りだった事が判明。差別の対象が実は祖先であり英雄だったという、なんだか皮肉な真相ですが、スティーヴン・モイヤーの演技が真摯だったせいか、誰も皮肉には取らず、晴れて町の人たちに受け入れられていました。長年の苦労のせいか、ビルの反応はもろ手を挙げて喜ぶようなナイーヴなものではなくて、慎重な感じでしたが。

きょうの男前姉妹

今日もラファイエット、タラの姉妹が男前で胸がすきました。ビルとエリック・ザ・バイキング(違)を除けば、一番好きなキャラクターかもしれません。って、まだ4話と5話しか見ていないくせにえらそうです、わたくし。

黒人で同性愛者のラファイエットが前時代的な差別に合ったり、教会の席に座るときタラが「白人優先」とフテ腐れてイヤミを言ったりしてるのを見ていると、スティーヴン・モイヤーが10年前に出ていたイギリスの吸血鬼ドラマ"Ultraviolet"の台詞「女、黒人、障害者、ゲイ・・・今度は俺たち(吸血鬼のこと)だ。中世に逆戻りしたいのか?」を思い出してしまいました。今ボンタンの町は中世になるか未来へ進むのかのターニグポイントにいて、今日の所は無事に未来へと一歩踏み出したのかな、と。 

差別の辛さを知っている、進歩的な考え方の持ち主と言えば、スーキーとジェイソンのおばあちゃん。大好きなキャラだったので、今回のエンディングに驚きました。

「海外てれび日記」のUltravioletに関する記事

スティーヴン・モイヤーが十年前に出ていた吸血鬼ドラマUltraviolet。見て損はない作品ですので、もしよかったら関連記事どぞv

Ultraviolet [DVD] [Import]
Ultraviolet [DVD] [Import]
posted with amazlet at 10.10.06
Palm Pictures / Umvd (2001-06-26)
売り上げランキング: 155037

にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ