True Blood第6話鑑賞

やっぱり面白いです、トゥルーブラッド。第6話の今週は、比較的おとなしいシーンが多いかな?と思ったものの、最後に「らしさ」が炸裂してました・・・w

以下ネタバレです。



今週のハイライトその1:葬儀に見る、人間の本性

お葬式や結婚式は「非日常」のイベント。こういう時、ちょっとした挨拶や、反応で、その人の本性が驚くほどよくわかってしまいます。
アデルおばあちゃんの葬儀に集まった、ボンタンの住人達。田舎なので、それぞれ手料理を持参してくれるけれど、賢いラファイエット姐さんが「こんなものは呪いの料理」と喝破してしまいました。

何にでも鼻を突っ込むオバハンが、勝手に冷蔵庫を開けて、アデルおばあちゃんのパイを整理していたのは、多分自分が持参した料理を冷蔵庫に入れるスペースを作るため。残されたスーキーの気持ちなんか、これっぽっちも考えていません。それどころか、住民たちのほどんとは、スーキーがバンパイアと付き合っているせいで、アデルおばあちゃんが惨殺されたと思い込んでいる。「あの子のせいだ」「涙一つ流してない」などなど・・・おばあちゃんの死のショックで心が無防備になっていて、他人の声を遮断できなくなっているスーキーには耐えられない状況。

おためごかしに「かわいそうね」と声をかけてくれても、心がこもっていなければ、分かってしまうもの。集まってきたのも、田舎のしきたり故であり、スーキーのためを思ってというよりも、どこか野次馬根性が見え隠れ。

それよりも、訪問客を追い払ってスーキーの気持ちをラクにしてくれて、頼まなくてもさっさと台所の片づけ(悪意のこもった「呪いの料理」を捨てて始末)してくれた、ラファイエットとタラこそ、本当に遺族のためを思ってくる人、というのが鮮明に分かる描写でした。死んだ人もかわいそうけど、残された人だってつらい思いをしている、という当たり前の事が、意外と周りの人には分からないものなんですね。

今週のハイライトその2:中毒/依存症

一人目はタラとラファイエット姉妹の母親。アルコール中毒。二人目はスーキーのお兄ちゃん。Vドラッグ中毒と、ある意味セックス中毒?

お母さんが葬儀の後でタラに涙ながらに訴えた「私の中に悪魔が入り込んでいて、出ていってくれない」という言葉。タラは「何をバカな事言ってるの」と、相手にしてくれませんでしたが、トム・ハーディ主演のアル中、ヤク中ホームレスの伝記映画 Stuart: A Life Backwardsに全く同じ言葉が出てきたので、 なんだかスっと腑に落ちてしまいました。止めたいと頭では分かっていても、どうにもならない状態は、正に悪魔に取り憑かれたようなものなのかも。一概には言えませんが、中毒/依存症で苦しむ人には、共通した心理なのかな。

もちろん、私は悪魔(demon)は比喩としての表現だと思ったので、「悪魔を追い出すにはお金がかかる」というのも、ついに決心してちゃんとしたリハビリ施設に入りたい、という意味なのかな?と思ったのですが、吸血鬼と人間が共存しているドラマなので、ひょっとしてホントに悪魔祓いをしてもらおうとしていたのでしょうか?! 今回のラストでは、タラがついに母親を許し、強がりをやめて、母親に精神的に頼ろうとしていたので、上手く行けば、二人で協力して依存症を克服していくのかもしれませんね。

お兄ちゃんの方は、先週はラファイエットにもらったVドラッグで世界がバラ色に見えていましたが、今週は早くも禁断症状。地べたに落ちたドラッグを探し回るシーンは、トレインスポッティングの便器に落ちたヘロインを取ろうとダイブするシーンを思い出してしまいました・・・。
自分を思い続けてくれていたタラの気持ちにようやく気が付いたのに、離婚したばかりでストレス発散中の女性のバイブ代わりに使われちゃってる状態(ヒドい表現でスミマセン)の自分がイヤなのに、抜け出せない。
スーキーを殴ってしまった時には、肝心のタラに「どうしちゃったの?昔のあんたとは別人みたい!」と言われる始末。

ラファイエットはVドラッグと上手く付き合っているので、逆にお兄ちゃんほどクスリに飲まれてしまうアホな人が理解できないのかも・・・。ラファイエットは好きなキャラクターだけど、なぜアルコール依存症の母を持ちながら、クスリの売人としての側面を持っているのかが、気になります。

最後は、スーキーとビル。最後のシーンで、血を吸いたい衝動を我慢しているビルに「血を吸って」とうなじを差し出していましたが、この後どうなってしまうのでしょうか。ビルは警官に「吸血鬼が血を吸ったら、一滴も残さない」と言っていましたが、今回は味見程度だったのかな。でも一度吸ってしまったら、多分また吸いたくなってしまうんじゃないかしら。二人がどうなっていくのか、気になります。

一回目に見た時はちょっと早送りにしていたせいか(こら)、最後にスーキーが喪服から花嫁姿に着替えてビルの家を駈け出して行くシーンが、少し唐突に思えたのですが、二度目にちゃんと見直したら、すごく納得してしまいました。

亡くなってから葬儀までは、気が張っていて涙一つ見せなかったスーキーだけど、おばあちゃんが作ってくれた最後の食べ物=ピーカンパイを食べながら、ようやく、おばあちゃんがもうこの世にはいない事、頼りないお兄ちゃん以外に身寄りがなくなってしまった事、もう守ってくれる人も守るべき人もいなくなってしまった事を段々実感してしまったんですね。おばあちゃんが亡くなった今、吸血鬼と付き合う事で、攻撃される身内はもういなくなってしまった(連続殺人で狙われているのは女性だけ)ので、ふっきれて決意が固まった、のかな。

今週の吸血鬼マメ知識

冒頭で、ビルが唐突にスーキーの家に入っていてびっくりしました。吸血鬼って招かれないと人の家に入れないんじゃ??ええと、多分私が見ていない1〜3話の間に、アデルおばあちゃんに家に招かれていたのですね、きっと。しかも一度家に招き入れられたら、あとは何度でも入れる?・・・って、考えてみたら当たり前なんですが、毎回招き入れてもらわないといけないんだと思っていました(←バカすぎ)w

吸血鬼ネタでちょっとヘンだな、と思ったのは、スーキーが家に帰ってきた車の音は聞こえたのに、アデルおばあちゃんが何者かに襲われている時の音は聞こえなかったビル。特殊能力は「ただし、若くて可愛い女の子に限る」なんでしょうか(違)。

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