内部告発 第2話「闇のウイルス」

Couplingのジェフことリチャード・コイルが、今話題の「内部告発」を専門にサポートする弁護士として活躍する、社会派娯楽サスペンスの第2話。今回は致死性の高いウィルス性の伝染病にまつわる、製薬会社の陰謀を暴き出しながら、告発者をどうやって保護するのか、という問題も描かれています。

以下、軽いネタバレがあります。

陰謀物の辿る道は同じ?

冒頭から、著名な科学者が巨大企業から資金援助を受けて研究をしているものの、研究費と家族への危害をほのめかして脅し、テレビで嘘の発表を強要される・・・ベネディクト・カンバーバッチ主演でまだ記憶に新しい「ラスト・エネミー」を彷彿とさせる物語の発端です。陰謀物をエンターテイメント風にしようと思うと、皆同じ筋書きに辿りつくんでしょうか。ちなみにイギリスでの初放送は「内部告発」が2007年9月から、「ラストエネミー」が2008年の2月なので、ほぼ同じ頃に制作していたのかな、と思います。

内部告発」の脚本家はジョン・シム主演の「罪と罰」、ヨアン・グリフィズ主演の「大いなる遺産」、スティーヴン・マッキントッシュ主演のDifferent for Girlsなどを書いた、非常に芸風の広いジョン・マーチャントさん。「ラストエネミー」は、ジャック・ダヴェンポートがPotCと思い切りタイプキャストな海軍さんを演じていたMary BryantのPeter Berry 。

不意打ちでした・・・

前回がかなり楽天的なオチだったので、今回も割と安心して見てたんですが・・・ええええーー!?いきなり後頭部を瓶で殴られたような終わり方でした。しかも一話完結なので、この後日談とかは、多分ない。・・・か、かなりムゴいです。しかもちょっと不条理。

主役のベン(リチャード・コイル)とアリーシャ(インディラ・ヴァルマ)の弁護士カップルは相変わらず可愛いです。今回はアリーシャが中心のエピソード。製薬会社の重役に「野心的なジャーナリスト」のフリをして近付き、色仕掛けで真相を得ようとする「なんちゃってスパイ大作戦」を遂行。アリーシャがセクシーなドレスで出掛ける準備をしている間、ヤキモチで頭がいっぱいになってるベンがかなり可愛いです。

内部告発の理想と現実

ベンの主義は内部告発と言っても、匿名不可。今回は、そのせいで告発者を追いつめてしまう結果になりました。視聴者から見ると、かなり早い段階から鬱病フラグが出ていたので、やばいよやばいよー!とは思っていたんですが、ベンとアリーシャは真相を追い求めるばかりで、告発者の安全を守るまで配慮が回っていないし、チームは二人+ハッカー兼何でも屋のケニーの3人しかいないので、告発者の安全を守るには、物理的に無理があります。

ただ、ウィキリークスみたいに受け取った情報を流しっぱなし(正確にはそういうわけではないんですが・・・)ならともかく、弁護士として密告者に付き添ってフォローするためには、完全に匿名の密告者では、おそらく扱い切れないのでしょう。正々堂々と顔を出して悪事を糾弾するための手助け、という視点のようです。

今回は内部告発者が自殺を図るという悲劇が起きましたが、告発者を守りつつも、更に大きな害から国民/社会を守るために内部告発を遂行するには、どうしたらいいのか・・・。ちょうどウィキリークスが世間を騒がせている今なので、このちょっと能天気な陰謀ドラマも、色々考えるきっかけになりそうです。

ちなみに、来週は「学校でのいじめが原因で生徒が自殺」する、という日本でも繰り返し起きてしまう悲しい事件がテーマ。どんな展開になるのか、次回も注目しています。