2011年 第65回トニー賞 授賞式トリビア集
授賞式でのミュージカル作品のパフォーマンスは、4分間で1600万円のコストがかかる。しかも自腹。
トニー賞授賞式のお楽しみといえば、ミュージカルのノミネート作品のパフォーマンス。たった4分間に平均で200,000ドル(約1600万円)かかるそうです。番組ではなく、それぞれのミュージカルのプロダクションチームが自前で負担するそうです。ノミネートされた時点ですでにクローズが決まっている作品(2008年の「クライ・ベイビー」、今年の「スコッツボロ・ボーイズ」)にとっては、ノミネーションは嬉しいような辛いような・・・。
普通はパフォーマンスされるのはノミネート作品なので、ノミネート外の「スパイダーマン」「カンパニー」去年の受賞作品の「メンフィス」まで上演された今年の授賞式はちょっと異例かもしれません。スパイダーマンに関しては、ボノとエッジ側から授賞式でのパフォーマンスを打診され、番組側も断るに断れなかったようです。「カンパニー」は明日水曜日から全国の映画館で舞台の特別上映が始まるので、その宣伝ですね。「メンフィス」は・・・クロージングラップでNPHに「メンフィスこわい>< 毎年出てくる!」と歌われてしまったので、こちらもプロデューサー側から強く働きかけがあったのでしょうか。(http://theenvelope.latimes.com/awards/tonys/la-et-tony-show-numbers-20110608,0,5914420.story)
ミュージカルパフォーマンスは「オーディション」を受けている
授賞式の中継で視聴者の関心を集めることは、そのままミュージカルの集客に直結。プロデューサーたちは、事前にパフォーマンスのビデオを作成して番組側に提出していわば「オーディション」を受け、少しでも目立つ時間に放送してもらえるようにしているそうです。ダンサーを沢山引き連れた華やかなナンバーを選ぶのも重要ですが、中継用に編曲し直したり、つなぎの部分を新たに作ったりと、腕の見せどころがいっぱい。(http://theenvelope.latimes.com/awards/tonys/la-et-tony-show-numbers-20110608,0,5914420.story)
今年のオープニングは、モルモンの宣教師さんたちになるはずだった?
Book of Mormonのプロデューサーたちは、授賞式のオープニングで、出演者たちの楽屋のドアを宣教師さんたちがノックし、最後に司会のニール・パトリック・ハリスのドアをノックして開演!という演出を狙ってキャンペーンをしていたそうですが、残念ながら却下に。ニール・パトリック・ハリスのオープニングナンバーは最高だったけど、「布教活動バージョン」のオープニングもちょっと見てみたかったかも。(http://latimesblogs.latimes.com/culturemonster/2011/06/12-things-you-didnt-know-about-the-2011-tony-awards.html)
オープニングナンバーの作詞は、元デイリーショーの作家David Javerbaum
オープニングで、ゲイのNPHがさわやかに謳い上げた"Broadway isn't just for Gays Anymore"の作詞は、ジョン・スチュアートのデイリー・ショーの作家だったDavid Javerbaum。残念ながら短命に終わった2008年のミュージカル「クライ・ベイビー」で作詞・脚本を経験済み。スティーヴン・コルベアのクリスマス特番の歌も作っていたので、なるほどと思わせる人選でした。
ちなみにクロージングラップのライムは、自ら主演したミュージカルIn the Heightsで、2008年に作詞作曲家としてトニー賞を受賞したLin-Manuel Miranda。
フランシス・マクドーマンドは、授賞式会場から目と鼻の先に住んでいる
演劇部門で主演女優賞を受賞した、フランシス・マクドーマンドは、ビーコンシアターから2ブロックしか離れていないところに住んでいるそうです。だからってGジャンでこなくても。
フランシス・マクドーマンドのGジャンには、ツイッターアカウントがある。
Gジャンのつぶやきってなんだそりゃって感じですが、気になる方はどうぞ!@McDsJeanJacket (http://crushable.com/style/frances-mcdormands-tony-awards-jean-jacket-has-its-own-twitter-account/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+b5media%2FJuniorCelebs+%28Junior+Celebs%29)
中継の視聴者数は690万人
非常にいい授賞式中継だったのですが、裏番組にNBAのファイナルが控えていたので視聴率ではちょっと苦戦。去年の700万人よりわずかに下がってしまいました。ただし18歳から49歳までの年齢層のシェアでは去年より9%上がったそうです。数字はともかく、NY Times、LA Timesなどの大新聞からThe AV Clubまで批評家はもちろん、twitterで見るかぎりは視聴者にも好評。次のアカデミー賞の司会ニール・パトリック・ハリスしかいないだろう、という評も目にしましたが、どうなるでしょう??