X-MEN:ファースト・ジェネレーション

【ぼくの考えた】エグゼビア遥かなり【X-MEN First Class】

わたくしちゃんとコミック読んでないので、英語版のウィキペディアを読んだ程度の極めて付け焼刃な情報を元にしているのですが、マグニートーになるまでのエリックは、常に奪われ迫害される半生を過ごしてきたすごいドラマクイーンだったんですね。収容所で目の前でお母さん殺されたなんてのは序の口。

今回の映画では、折角キャスティングを大幅に若返らせたのに、収容所→(この間にあったはずの数々の苦難の日々を全て割愛)→チャールズに出会って共闘→意見の相違で決別、とあっという間にストーリーが進んでしまうのがもったいないです。

たしか原作では・・・
収容所で家族全員皆殺し&エリックは死ななかったけど生き埋め→ナチに発見されて再び収容、アウシュビッツ同胞殺しを手伝わされる→苦難のために若くして総白髪になるも、ようやく脱出し、ジプシーの幼妻と結婚→村人の焼き討ちにあって幼い娘を丸焦げ殺害される→怒りのパワーで村を破壊、大量殺戮→恐怖で妻がエリックを捨てて逃亡(その後二度と会えていない)→ようやく新しい恋人ができる→恋人が目の前で殺される。 

もう普通の人の何人分のトラウマを背負ってるんだ、というヒドい人生。ええと、ジプシーの幼妻=ゾーイ、新しい恋人=ジャニュアリー・ジョーンズでいいです。早く映画化してください。NHKの名作「エトロフ遥かなり」みたいな、究極の「タートルネックの似合ういい男ハードボイルド」ドラマになりそうですよv んん?「地味すぎてハリウッドのブロックバスターにならない」とか言ってる悪い子はいねがーー??いいんだ、合間に敵と戦ってドンパチしてるシーンを適当に挟んでおくから!(こら)

3部作構想があるそうなので、2,3ではこのあたりに立ち戻ってやってくれないかしら。1作目で、もうマグニートーになっちゃったから、過去にはもう戻らないでしょうか・・・。ピカード教授とテレパシーでチェスしてるサー・イアンの回想形式ならモアベターよv

【ぼくの考えた】ドクター・エックス【X-MEN First Calss】

すみません、「マイノリティの元親友同士が、敵味方に分かれて戦う」あるいは「世界レベルの痴話喧嘩」つながりで「ドクター・フー」シリーズ3の終盤を連想したら止まらなくなっただけです。

でも良く考えてみたら、マグニートーにはまだ他にもミュータントの同胞が沢山いるけれど、ドクターとマスターは広い宇宙の中で、たった二人しかいない生き残り。もしもどちらか一人がいなくなってしまったら、永久に一人ぼっちなのよね(ああ、書いてるだけで泣けてきました・・・)。

ええと、プロフェッサーとマグニートーふたりの運命の残酷さに心震わされた方は、ぜひデイヴィッド・テナントが10代目ドクターを演じた「ドクター・フー」シリーズ3を(終盤だけでもいいので)ご覧下さい。きっとハマるはず。デイヴィッド・テナントとジョン・シムの丁々発止の演技というか演技を超えたケミストリーが最高です。本来子供向けのドラマだけど、そんなこと言ってられないほど、ええドラマやで〜。たしかLaLa TVで放送してもらえるはずです。座して待ちましょうv

Doctor Who: Complete Third Season [DVD] [Import]
Sci-Fi Channel, The (2007-11-06)
売り上げランキング: 43255

閑話休題。(やや)まともな感想

いかん、XMFCの感想に全くなっていない。ええと、ファスベンダーさんほぼ初対面映画*1でした。男前でした。でもって、初めて大画面でニコラス・ホールトが見られて幸せでした。ティーンゾンビ映画も少しは期待してみます。ミュータントとしては、ダーウィン(マジメそうな黒人青年)とバンシー(ハリポタのロン風な赤毛の子)が結構好きでした。でもケヴィン・ベーコンの「人類の奴隷のままでいいのか」みたいな台詞でわざわざ「奴隷」の時にダーウィンを映したり、あまり活躍の場をもらえてなかったりして、ホントにマイノリティについて考えてるのかな、この映画?という感じでした。ブライアン・シンガーだとゲイ・アドヴォケイトの側面が強くなりすぎちゃうかもしれないけど、でもそこが単なるアメコミ映画の域を超えていて好きだっただけに、ちょっと残念。でもそういう社会派的なものを全然期待しなければ、ちゃんと楽しい映画でした。

複数言語を話すキャラクターたち

ケヴィン・ベーコンのドイツ語はけっこう微妙な感じだったと思うんですがシュミット博士とセバスティアン・ショウを一つのキャラクターにしてしまったからしょうがないのかな。英語で喋ってる時のほうがいきいきしている。(ETA: ぎゃー!失礼しました!ショウは元々アメリカ人で、シュミットは単にショウの偽名だったようです。これはこの映画独自の設定。そらドイツ語微妙だし、英語の方が生き生きしますがな) エリックと対決するシーンも、お互いドイツ語に戻ることなく、英語のままなのはなんでかな。ドイツに対して恨みしかないエリックがドイツ語を話したくないのは分かるけど、ショウの場合はちょっと謎。あと、エリックは、テレパシーで現場を見聞きしているチャールズに分かるように、わざと英語のままで話していたのもありますよね、きっと。 まあ、実際問題としてあの部屋の壁が青白いので字幕が見づらいのと、ラスボスとの戦いで外国語になると、アメリカ人の観客が冷めるのを心配した・・・のかな。ともあれ、あまりにも英語とドイツ語の落差があったので、シュミットが変名でショウになったというよりも、アメリカ人のショウがシュミット博士に化けてたんだろうかとか考え込んでしまいました。(ETA: 結局正解でした/爆 でも、なぜアメリカ人のショウが長らくナチに潜伏してたのかはちょっと説明がつきにくいです。ナチが米国に渡ってショウになった、という方が説明がつきやすい。まあ、たぶんシュミット博士は原作には無いキャラクターで、この映画のヴィランをショウに決めた後で、エリックの仇敵にするために設定をいじったから、こういう訳の分からない事になってしまったのだと思います。・・・あんまりこういう細かいことは考えちゃいけないのだな、たぶん)

チャールズはどこの国の人?

訛りで言えば、チャールズって何人なんでしょう。あのお城みたいなお屋敷はいかにもイギリスにある風ですが、実はニューヨーク州郊外にあるという設定ですよね。彼のお母さん*2はバリバリのアメリカ英語なのに、息子はひどく特徴のないイギリス英語。飛び級で若いうちからケンブリッジで学生生活してるうちに、大阪弁が移るみたいに移っちゃったのかな。でも、周りに大勢いたはずの、あの時代の典型的なケンブリッジの学生は、もっとコテコテの上流階級英語のはず。元々マカヴォイはスコットランドの労働者階級出身ですごく訛ってたわけで、ちゃんと標準語っぽく矯正してたけど、「標準」すぎて。ミュータントとして誇りをもつが故に、国籍にはわざと頓着しない事にしたのかしら。それでピカード船長とのつながりはあえて無視したのかな。・・・いかん、エリックとショウ以上にどうでもいいことですね、すみません!
ETA: そういえば子役もイギリス英語でしたよね。母はアメリカ人だけど、お父さんはイギリス人?それとも乳母がイギリス人だったのかな。

ファスベンダーさんは、実に流暢に英語/ドイツ語/フランス語/スペイン語を披露してくれてセクシーでした。以上。・・・いやだってカッコイイけど意味ないもの、ドイツ語のシーン以外は全部。そして、マカヴォイよりもイングランドっぽい不思議な発音でした。というか、今気がついたのですが、ふたりともあまり声が通る方じゃないのですね。Fassyは結構ダミ声。マカヴォイは声が高め。あ、それだ!この映画に足りなかったもの!サー・イアンとピカード船長の重厚でよく響く美しい声のシェークスピア演技に慣れすぎたせいで、違和感があったのじゃね。きっとエリックもチャールズもヴィランらしく/ヒーローらしくなるために頑張ってるうちに、なんとなくそれっぽい発音を後で取り入れていったのだんですね、分かります(ハリウッド映画の法則じゃないんだから←悪役は意味もなくシェークスピア劇風イギリス英語)。

というわけで、寝ても覚めてもブロマンス、ブロマンスと言っているブロマンスバカなわたくしなのに、なぜかこの映画にはあんまり萌えなかったのですが、エリック単独主演の続編があれば見てみたいかもです。

にほんブログ村 テレビブログ 海外ドラマへ

*1:実はThe Devil's WhoreやGunpowder, Treason and Plotで既に見ていたようです。たしかにGunpowderにはあんな顔したイケメンがいたような気もする・・・けどあやふやです

*2:正確にはミスティークが化けたお母さん