第70回ゴールデングローブ賞ノミネート(映画部門)
<Cecil B. DeMille Award(功労賞)>
『告発の行方』と『羊たちの沈黙』でGGとアカデミー賞のダブル受賞をしていますが、今年でまだ50歳。ジョディより若い過去の受賞者は3人だけだそうです。バディ・アドラー (当時48歳)、ジュディ・ガーランド (当時39歳)、チャールトン・ヘストン (当時 43歳)
<作品賞(ドラマ部門)>
- 『アルゴ』
- 『ジャンゴ 繋がれざる者』
- 『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
- 『リンカーン』
- 『ゼロ・ダーク・サーティ』
<作品賞(ミュージカル・コメディ部門)>
- 『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
- 『ムーンライズ・キングダム』
- 『レ・ミゼラブル』
- 『砂漠でサーモン・フィッシング』
- 『世界にひとつのプレイブック/Silver Linings Playbook』
<脚本賞>
- クリス・テリオ (『アルゴ』)
- クエンティン・タランティーノ (『ジャンゴ 繋がれざる者』)
- トニー・クシュナー(『リンカーン』)
- デイヴィッド・O・ラッセル、マシュー・クイック(『世界にひとつのプレイブック』)
- マーク・ボール (『ゼロ・ダーク・サーティ』)
<監督賞>
- ベン・アフレック (『アルゴ』)
- キャスリン・ビグロー (『ゼロ・ダーク・サーティ』)
- アン・リー (『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)
- スティーヴン・スピルバーグ (『リンカーン』)
- クエンティン・タランティーノ (『ジャンゴ 繋がれざる者』)
タランティーノは、監督/脚本両部門にノミネート。まさかここまで評価されるとは思ってませんでした(とても失礼)。
<主演男優賞(ドラマ部門)>
- ダニエル・デイ=ルイス (『リンカーン』)
- リチャード・ギア (『アービトラージ(原題)/Arbitrage』)
- ジョン・ホークス (『ザ・セッションズ(原題)/The Sessions』)
- ホアキン・フェニックス (『ザ・マスター(原題)/The Master』)
- デンゼル・ワシントン (『フライト』)
フライトはロバート・ゼメキス12年ぶりの実写作品なのですね。あまりゼメキスっぽくない作品のような気がしますが、予告編見た限りでは、最近のデンゼルのダラシナ系の魅力を引き出している感じで楽しみです。
<主演女優賞(ドラマ部門)>
- ジェシカ・チャステイン (『ゼロ・ダーク・サーティ』)
- マリオン・コティヤール (『君と歩く世界/Rust and Bone』)
- ヘレン・ミレン (『ヒッチコック(原題)/Hitchcock』)
- ナオミ・ワッツ(『ジ・インポッシブル(原題)/The Impossible』)
- レイチェル・ワイズ( 『ザ・ディープ・ブルー・シー(原題) / The Deep Blue Sea』)
これでもかとばかりに美女ばかりでクラクラしてきそうな豪華ノミネート。
<主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)>
- ジャック・ブラック(『バーニー(原題)/ Bernie』)
- ヒュー・ジャックマン (『レ・ミゼラブル』)
- ブラッドリー・クーパー (『世界にひとつのプレイブック』)
- ビル・マーレイ (『ハイドパーク・オン・ハドソン(原題)/Hyde Park on Hudson』)
- ユアン・マクレガー (『砂漠でサーモン・フィッシング』)
<主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)>
- エミリー・ブラント (『砂漠でサーモン・フィッシング』)
- ジュディ・デンチ (『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』)
- ジェニファー・ローレンス (『世界にひとつのプレイブック』)
- マギー・スミス (『カルテット!人生のオペラハウス』)
- メリル・ストリープ (『ホープ・スプリングズ(原題) / Hope Springs』)
カルテット!は、ダスティン・ホフマンの監督デビュー作。
<助演女優賞>
- エイミー・アダムズ (『ザ・マスター(原題)/The Master』)
- サリー・フィールド (『リンカーン』)
- アン・ハサウェイ (『レ・ミゼラブル』)
- ヘレン・ハント (『ザ・セッションズ(原題)/The Sessions』)
- ニコール・キッドマン (『ザ・ペーパーボーイ(原題)/The Paperboy』)
エイミーは一昨年の『ザ・ファイター』に続いて4回目のノミネート。ニコールはもう主演枠にはこだわっていないのでしょうか。
<助演男優賞>
- アラン・アーキン (『アルゴ』)
- レオナルド・ディカプリオ (『ジャンゴ 繋がれざる者』)
- フィリップ・シーモア・ホフマン (『ザ・マスター(原題)/The Master』)
- トミー・リー・ジョーンズ (『リンカーン』)
- クリストフ・ヴァルツ (『ジャンゴ 繋がれざる者』)
共演陣の演技が素晴らしかったアルゴ、やはりアラン・アーキンがノミネートされましたね。リトル・ミス・サンシャインとほぼ同じ役と言っちまえばそれまですが、爽快な不良オヤジでした :D
ディカプリオはジャンゴでの思い切ったオーバーアクション演技が評価されているようですが、は長年主演賞を目指して生きてきたような印象があります。もしこれで受賞してしまったら、何となく手放しで喜べないものを感じるのですが、本人は別に気にしないのでしょーか?
<外国語映画賞>
- 『愛、アムール/Amour』オーストリア
- 『ア・ロイヤル・アフェア(英題)/A Royal Affair』デンマーク
- 『最強のふたり』フランス
- 『コンティキ(原題)/Kon-Tiki』ノルウェー
- 『君と歩く世界/Rust and Bone』フランス
コンティキ号再現のトール・ヘイエルダールを描いたノンフィクション映画も気になりますが、やはり今年は『最強のふたり』一択でしょう。『愛、アムール』はミヒャエル・ハネケ監督のカンヌのパルムドール受賞作品。「サルサ・ソース」みたいな邦題ですが、いいのかしら :-p A Royal Affairはマッツ・ミケルセン主演がカロリーネ女王と恋に落ちる外科医を演じたデンマークの歴史ロマンス映画。日本でも人気が出そう。
<作品賞(アニメーション)>
- 『メリダとおそろしの森』
- 『フランケンウィニー』
- 『モンスター・ホテル/Hotel Transylvania』
- 『不思議の国のガーディアン/Rise of Guardians』
- 『シュガー・ラッシュ/Wreck-It Ralph』
<オリジナル作曲賞>
- Mychael Danna (『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』)
- Alexandre Desplat (『アルゴ』)
- Dario Marianelli (『アンナ・カレーニナ』)
- Tom Tykwer, Johnny Klimek, Reinhold Heil (『クラウド アトラス』)
- John Williams (『リンカーン』)
<オリジナル歌曲賞>
- For You (『ネイビーシールズ/Act of Valor』)
- Not Running Anymore (『スタンドアップ・ガイズ/Stand Up Guys』)
- Safe and Sound (『ハンガー・ゲーム』)
- Skyfall (『007 スカイフォール』)
- Suddenly (『レ・ミゼラブル』)
『レ・ミゼラブル』はオリジナル楽曲ぶっこんできたんですね。元々の舞台が完成度の高い作品なので、どこに挿入されているのか、ちょっと心配。
『スタンドアップ・ガイズ』は、アル・アパチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキン共演のクライム・コメディ・・・ってこのジャンルでB級に終わらなかった作品を私は殆ど知らないので、ぜひ例外になってほしいです。が、歌曲賞にしかノミネートされていない時点で、早くも私の望みは潰えたような気がします:-p
サム・メンデス監督の『007 スカイフォール』は出色の作品だと思うのですが、なぜかアデルの主題歌でしかノミネートされず。興行的には世界中で大ヒットしていますが、「上質でスタイリッシュなエンターテインメント映画」という映画業界への貢献を考えると、何らかの賞という形でも評価されてもいいのでは、と思ってしまいました。
ノミネート数星取表
- 7部門 リンカーン
- 5部門 アルゴ、ジャンゴ
- 4部門 ゼロ・ダーク・サーティ、レ・ミゼラブル、世界にひとつのプレイブック
- 3部門 ライフ・オブ・パイ、砂漠でサーモン・フィッシング
- 2部門 マリーゴールド・ホテルで会いましょう、ザ・セッションズ、君と歩く世界
- 1部門 ムーンライズ・キングダム、アービトラージ、ハイドパーク・オン・ハドソン、ザ・ペーパーボーイ、カルテット!愛、アムール、メリダとおそろしの森、フランケンウィニー、モンスター・ホテル、不思議の国のガーディアン、シュガー・ラッシュ、アンナ・カレーニナ、クラウド アトラス、スタンドアップ・ガイズ、フライト、ヒッチコック、ザ・ディープ・ブルー・シー、バーニー、最強のふたり、コンティキ、ア・ロイヤル・アフェア
- 0部門 ホビット
・・・ホビットって今年は受賞対象じゃないのでしょうか。完全に無視されているだけですか?うう、面白かったけど確かに長すぎました。原作に忠実に2時間の映画一本でさっくりと作っておけばよいものを、ぶつぶつ・・・。
さて、受賞レースは吸血鬼ハンターじゃない方の『リンカーン』が、三歩くらいリード。アルゴとジャンゴが意外なほど批評家受けが良いようです。
しつこく応援しているレイフ・スポール君出演の『ライフ・オブ・パイ』は、作品賞、監督賞の主要2部門ノミネートで、日本での興行にも結びつきそうで期待が高まります:D
全くの余談ですが、ゴールデングローブで毎年不思議に思うのは、作品賞と主演賞はドラマ部門とコメディ・ミュージカル部門で分けているのに、ノミネート対象が広い共演賞は、ドラマもコメディ・ミュージカルも一緒なこと。共演者にももっと受賞機会が増えるといいのですよね。