BBC刑事ジョン・ルーサー第一話カットシーン再現

ようやくBBC Lutherの第一話のAXNミステリー放映分の録画を見てみました。が、最初の数分が丸々カットされてました(実はアイコンアップした時点ではまだちゃんと見ていなかったのです←こら!)
 
エピソードによって放送時間が違うのですが、第一話は59分もあったので、日本の民放で放映するには必然的にどこかをカットせざるをえず、もれなくスティーヴン・マッキントシュが出演してるシーンがバッサリ切られております。猟奇殺人が頻出する中で、数少ない癒しシーンを担当しているのが、マッキン。でも本筋とは関係ないので、しょうがないのでしょうか。私のように、このドラマをマッキン目当てで見ている人は少数派なんですよね、きっとorz

今回カットされているのは、以下の二つ。

  • 猟奇殺人鬼を追い詰める過程で、未必の故意とはいえ意識不明の重傷を負わせ、メンタルで入院中の主人公DCIジョン・ルーサー(Idris Elba)を 同僚で親友のDCIイアン・リード(Steven Mackintosh)が見舞うシーン。
  • 職場復帰したルーサーが同僚たちに歓迎されるシーン

<ここからカットシーン>
メンタルで入院中のルーサーを見舞うイアン。ガランとした殺風景な病室で、やる気を失って別人のようになっているルーサー。The Wireの面影はありません。
  

ようやく職場復帰。横断幕まで張って歓迎してくれる同僚たち。ルーサーはイアンだけにハグ。同僚たちからのちょっと皮肉なプレゼント。"You don't need to be mad to work here, but it helps"と書かれたマグ。あまねく職場に必携ですね(違)。
 

</カットシーン終了>

暴走しがちな一匹狼に見えるルーサーの繊細さや、それでも同僚や上司のDSIテラー(Saskia Reeves)から信頼され、ユーモアで励まされている事が分かります。ルーサーは他の仲間には挨拶程度なのに、イアンにだけはハグしているので(ヘッドロックかけられてるみたいに見えますが)、ルーサーが一番心を許してるのが誰かもはっきり。でもAXNミステリーで放映分だと、イアンとのシーンが極端に少ないので、なんだかよくわからない人で終わってそうです、イアンorz

実際に捜査を共にする事が多い、後輩のジャスティン(Warren Brown:ボクサー出身ながら、Luther, Single Father, Accusedと話題作に次々と登用されているBBCイチオシの新人俳優)とのシーンの方がどうしても目立ってしまうのですが、ルーサーには4人のパートナーがいるという事をちゃんと見せてほしかったな。つまり(元)妻のゾーイ、親友のイアン、捜査パートナーのジャスティン、そして「おしかけ美少女版レクター博士」アリス・モーガン(こんなアニメが出来たらどうしよう。見たい←こら)。

ついでに続きも画面キャプチャを張ってみます。以下ネタバレです。長いのでたたみます。



猟奇殺人鬼ヘンリー・マドスンが落下した現場を再び訪れてたルーサー。助けようと思えば助けられたはずだが、助けなかった。マドスンは生きているが、意識不明の重体で入院中。
 

「両親と飼い犬が惨殺され、恐怖で放心状態」の演技をしているアリス・モーガン(Ruth Wilson)。でもルーサーに事情聴取されて核心に触れられると豹変。他者に同情する事の出来ない病的な本性が。

 

久しぶりに家に帰ったら、辛い入院生活中お見舞いにも来てくれなかった(というかルーサーが近づかせなかった)妻ゾーイ(「内部告発」のIndira Varma)から、「浮気してました。離婚してください。この家にはもう来ないで」と素晴らしいコンボをくらい、怒りのあまりドアを蹴破って破壊するルーサー。気持ちはわかるけど、妻を直接殴らなくても、目の前で物に当たるのだって、完全に家庭内暴力ですよ・・・。

出て行ったルーサーを心配したゾーイがイアンに連絡。何も言わずにヤケ酒に付きあってくれるイアン。
 

・・・気が付いたら朝でした。何時間飲んでたんだ。もうパブのラストオーダーが11時の時代じゃないんですね、しみじみ。
 

何もかもを飲み込むブラックホールを悪の象徴としてウットリ語る、アリスさん。ルーサーさん引いてます。

ルーサーに職場に押しかけられて完全にキレてる弁護士の妻ゾーイ。全館禁煙ビルなのか外に出てタバコ吸おうとして、アリスに脅されるゾーイ。しかしアリスはこのマイコーみたいな変装する意味あったのでしょうか(←たぶん単なるシュミ)。
 

アリスが両親と犬を殺した犯人である唯一の証拠(アリスが犬のお腹に隠したプラスチック銃の燃え残り)を盗み出したルーサー。盗まれた事が分かると、表情一つ変えずに包丁を持って静かに追いかけるアリスにちょとゾっとしました。キレたルーサーに首を絞められても、じゃれてもらったと思って喜んでるアリス。しかし、わんこの遺灰を詰める段階で、火葬を担当した職員がこんな大きな異物に気が付かないのは、ちょとヘン。
 


証拠を川に投げ捨てられて、さすがにキレるアリス。捕まる事よりも、自分が完全犯罪を成し遂げた証拠を捨てられる事に怒りを覚えるあたり、常人とは違う発想。アリスの真性サイコパスぶりに比べれば、BBCシャーロックも、とてもマトモな気がします・・・。
一番大事な証拠はもちろん捨てずに持ってたルーサー。でもこれを利用して逮捕はせず、アリスに返してしまいます。
 


元妻の家(というか、元自分の家)のドアのベルをしつこく鳴らして、妻に警察呼ばれてしまうルーサー。応対した妻の現在の恋人マーク・ノース(Paul McGann)と取っ組み合いに。ドアを蹴破ってなければ、ゾーイもここまで大げさな措置はとらなかったと思うのですが、これはルーサーの自業自得かな。

一方アリスは、ルーサーのおかげで昏睡状態のヘンリー・マドスンの病棟へ。今回は何もせずに退散。何か悪いイタズラを考えているようです・・。
 


色々とツッコミ所が多くて、ガーディアン紙に「ややバカらしい『羊たちの沈黙』」と書かれてしまった本作ですが(あまりにも的確過ぎて返す言葉がない)、第2話はもっと面白い!&オリジナルが56分なのでカットしたシーンがほぼない!ので、見捨てないでやってください・・・。そしてもし日本でDVDが発売されるのなら、カットされたシーンがちゃんと収録される事を願います。