Camelotのpilot鑑賞:ケイ卿がベンアフ+ケイアフのイケメンだよ!の巻

ジョゼフ・ファインズがマーリンを演じるUSA Starz製作のCamelotが放映開始しました。今なら公式サイトでパイロットが無料開放中です。
ファミリー向けのBBCのマーリンとは正反対の作風です。The Tudersの二匹目のドジョウ狙いなのか、血で血を洗う抗争+全裸まぐわり祭り状態です。洋ピン見てると勘違いされかねないので、ご視聴の際は背後にご注意を

今回のアーサー(Jamie Campbell Bower)は、BBCの魔術師マーリンはもちろん、従来のアーサー王伝説とも違うキャラクター設定。金髪ロンゲの優男に見えて肉食な女好き。登場するなりお兄ちゃんであるケイ卿(Peter Mooney)の彼女を寝取ってる。しかも許してもらえると分かっててやってます。なのにお兄ちゃんはWe can't let a woman between usですって。なんなんでしょう、このfangirlホイホイ。

彼女をめぐって取っ組み合いのケンカをした後、小休止する兄弟の図↓ 
 
 

なにげに、ベン・アフレックケイシー・アフレックを足しっぱなしにしたようなハンサムなケイ卿こそ「勇敢、高潔、寛容(でもちょっと優柔不断)」と三拍子そろった、伝説通りの「アーサー王」的キャラクター。実際、このドラマ版のアーサーは、少し甘やかされていて、どことなくモードレッド風にも見えます。

従来のケイとアーサーの関係は「騎士の息子とその従者」で、まるで「JockとNerdジャイアンのび太)」という感じだと思っていたのですが、このドラマでは立場が逆転。ケイの両親は最初からアーサーはウーサーの御落胤だと分かっていて、本人にもケイにも告げてはいないものの、アーサーの事を大事に育てていました。ケイは、弟の方が大切にされているのを感じて傷ついていた事もあったようだけど、だからといってヒガむことなく弟を可愛がる、精神年齢の高い優しい青年として描かれていました。ちょっと新しい脚色かもしれません。

エヴァ・グリーンのモルガン・ル・フェイは正にハマリ役。自分を捨てた父ウーサー王への恨みつらみ、ロト王をいとも簡単に陥落させる悪女っぷり、アーサーへの生存本能的な対抗心、義母への残酷な仕打ちなど、魔女らしさ炸裂。シーンごとに毎回違う衣装を見ているだけでも楽しいv たまに「悪いベッキー」にしか見えないモーメントもありますが、おおむね大変お美しいです。この世で最もみっともない姿の一つに数えられる「鼻血流してる姿」さえも美しいのは、なかなかの偉業だと思います。
 
 

マーリン(Joseph Fiennes)は、ガンダルフ風おじいちゃんでも、ちゃっかりドジっ子魔法使いでもなく、ちょいキモめのクローゼットゲイみたいなspin doctorでした。それでいて妙に理想主義なのが玉にキズ。この時代にマルコム・タッカーさんがタイムスリップしてきたら、マキャベリスト同志で、とっても腹黒い心通じ合う会話がありそうです・・・。ジェームズ・ピュアフォイ演じるロト王は、役には合ってるけど、あまりいいとこなしです、今の所。今後に期待。


まとめ

主役にあまりアーサーらしい品が感じられないので感情移入しにくいですが、ドラマ全体としては、スピーディな展開、魔法は使っているものの従来のようなファンタジーや悲恋ではなくリアリティ路線の演出で、時間が短く感じるほど楽しめました。何か深く残る物はないかもしれないけど、アーサー王伝説を一種の「歴史ドラマ」としてとらえた連ドラとしては、十分面白いのでは。