イライジャ・ウッド主演コメディ Wilfred 第1話観賞

アメリカのケーブル局FXで始まった、イライジャ・ウッド主演のコメディシリーズ。待ちに待っていました。なぜならわたしはイライジャ・ウッドが好きで、なにより諸君、わたしは犬が好きだ!からです。

自殺ばかり考えているウツ気味の青年ライアン(イライジャ・ウッド)が、隣家の美女ジェナ(Fiona Gubelmann フィオナ・グーベルマン)の犬ウィルフレッド(Jason Gann ジェイソン・ガン)を預かる。が、ライアンにだけは、犬ではなく、犬の着ぐるみを着たオーストラリア訛りのオッサンに見える。

このオッサン犬、マリファナを吸う、昼間からビールを飲む、デューンの「恐怖は心を殺すもの」を引用しながらライアンに人生を説く*1、あげくにライアンに強盗を提案するなど型破り。でもちゃんと犬らしいところもあって、バイクを見れば追いかけ、ソファに座る前にぐるぐる回り(この仕草可愛かったv)、庭の芝生に穴を掘り、テディベアにマウントし、可愛いウェイトレスのおっぱいに飛びつき、オジサンが撫でようとすると嫌がって威嚇し、テニスボールにやたらに執着し、すべての発言の結論は「ボール遊びしよ」。犬を飼っている人なら、誰でも「あるある!」と思いあたるシーン連発でした。

ライアンは、産婦人科医の姉が処方してくれた薬の飲み過ぎで見た幻覚・幻聴なのかと思い当たりますが、姉は「飲みすぎると危ないからプラシーボのお砂糖をあげた」と言う。どうやら薬のせいじゃないらしい。じゃあなぜ?と思っても、おかしな現象の説明は一切ありません。かなりシュールな発想ですが、FXのオリジナル作品ではなく、元々はオーストラリアのシットコム。ウィルフレッド役のジェイソン・ガンは、オリジナルシリーズでも同じ役で、原案/脚本を務めています。「彼女の家に初めて行ったら、彼女の犬が嫉妬してきて怖かった」という友人(Adam Zwar。オリジナルシリーズの共同執筆者で共演者)のエピソードから思いついたそうです。アメリカ版のプロデューサーは、Family GuyのDavid Zuckerman。 

イライジャ版では少し設定を変えていて、ライアンとジェナはまだお隣さん止まり。シリーズが進めばライアンがジェナを好きになって、ウィルフレッドに邪魔され、でも段々ウィルフレッドとライアンは仲良しになってしまう、というオリジナルシリーズ通りの奇妙な三角関係が始まるのでしょうか。

ライアンは、父親の期待に沿うために無理をして弁護士になったものの、自分の望む道ではなかったようで、今ではすっかりウツ病気味、絶賛ニート生活中。医師の姉が折角コネで見つけてくれた病院での仕事も、初日からすっぽしてしまう。イライジャは、潔癖症で神経質でオタクっぽくて*2臆病だけど、ウィルフレッドの影響で少しずつ大胆になって行くライアン役にうまくハマっていました。「パラサイト」でのいじめられっ子ぶりと「王の帰還」での憔悴ぶりを足した感じでしょうか。

犬が喋るor主人公の空想上の友達ネタというと、大好きな「ディディエ」*3、アイコンにしている「カルヴィン&ホッブズ」、ジェイムズ・スチュアートの「ハーヴェイ」、「ドニー・ダーコ」など先例が色々ありますが、ウィルフレッドの犬演技もなかなかのもの。パイロットは十分面白かったのですが、The AV Clubのレビューによれば、1〜3話まで見たところ、1話が一番弱くて、2,3はもっと面白いそうです。エンディングの曲がニルソンだったのも嬉しかったし*4、来週も見てみます。

ウィルフレッドのふてぶてしさとおっさん臭さを見ていたら、このコントを思い出しました。渚くん「ドラえもん、好きな食べ物なに?」 ドラえもん肝!肝のシャワー浴びたいくらい好きや」


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*1:Fear is the mind-killer. Fear is the little-death that brings total obliteration... 恐怖は心を殺すもの。恐怖は全面的な忘却をもたらす小さな死。

*2:ベッドのサイドテーブルにデューンのペーパーバックが置いてある

*3:もし犬が人間になったら・・・という、フランスの傑作コメディ映画。残念ながら日本語でのDVDはリリースはなく、VHSのみ。

*4:でもMe and My Arrowは使わないかな。そんなけなげな犬じゃないので