魔術師マーリン 第8話 ドラゴンの警鐘/終わりの始まり

 

君の名は:エムリスの巻

マーリンがうっかり助けたドルイドの男の子は、マーリンに向かって「エムリス」と呼びかけました。ドラゴンによればマーリンの異名のよう。でも「エムリス」っていったい何?と思ってwikipediaさんに聞いてみました。

Merlin Ambrosius (Welsh: Myrddin Emrys).
Ambrosius (a Latin adjective derived from the Ancient Greek word ambrotos (divine, immortal)

わたくしの付け焼刃きわまりない知識によれば、こういうことのようです。
12世紀にジェフリー・オブ・モンマス(ドラマ内ではなぜか図書館のおじいさん)がアーサー王(とマーリン)に関する書物「ブリタニア王列史」を書きました。ジェフさんは北ブリテンに実在したアーサー王とは関係ないオモロな隠者ミラディン*1の伝承と、ローマ系ブリテン人武将アンブロジウス・アウレリアヌスさんの伝承をミックスしてマーリンのエピソードを書き、「マーリン・アンブロジウス*2」と表記。本書は人気があり、後に古英語*3に翻訳されてイギリスに広まったようです。


ジェフさんはケルト語の伝承をラテン語に訳した*4ので、マーリン・アンブロジウスは元をたどるとケルト語(つまりウェールズ語)の「ミラディン(メラディン)・エムリス*5」になるようです。ふう、逆流リサーチ完了!


英語のドラマなので、マーリン・アンブローシアス(英語読み)の方がしっくりくるんじゃ?と思うのですが、ドルイドケルト文化なので、エムリスの方を使ったんでしょうか。単純にあまり知られていない方の呼び名を使いたかっただけなのかも、とも思います。放送後はイギリス中の子供たちが「エムリスって何だろう?」と調べてジェフリー・オブ・モンマスやそのほかの原典に辿り着いたりしたら、BBCの制作者はしてやったり!と思ったでしょうねv

君の名は:モードレッドの巻

ドラゴンが「あの子を助けるな」と言った時点で「やはりあの子がモードレッドなのね・・・」と分かってしまいますが、それでもラストの暗い森の中、たった一人で命も顧みずに送り届けてくれた恩人であるアーサーに向かって、「モードレッド」と名乗るシーンは思わず「武者震いがするのぉぉっ(ドラマが違います)!」と興奮してしまいました。モー君(略しすぎ)は、マーリンの異名まで知っていたけれど、自分とアーサーとの運命も知っていて名乗ったのでしょうか?それとも、知っていたのはマーリンが自分たちと同じ魔法を使える人だということだけ?あの子との再会は先の話になりそうですが、気になります。

(以下、シリーズ全体のラスボスを勝手に予想。原典を全く読んだことがないand/or読むつもりがない方にとっては、激しくネタバレです)



























君の名は:モルガーナの巻

モルガーナは、サム・ニール版の「マーリン」で悪さの限りを尽くした「モルガン・ル・フェイ」と「アーサー王の死」で言う所の「妖姫モルガン」をベースにしたオジリナルキャラクターなのでしょうか。魔法という人に言えない秘密を共有し、血縁関係にある*6ので、あの子を助けずにいられないのは筋が通っていますよね。マーリン&アーサーにとって、全シリーズ通してのラスボスはモルドレッドだけでなく、モルガーナ&モルドレッドのコンビになるのでしょうか? 辛い戦いになりそうです。ていうかそれなんてSmallville(それ言っちゃ(ry ETA 実はS2でモルゴースも出てきます。原典から離れまくりなのでS3まで生き残るか分かりませんが、生き残ればラスボスは3人組になるかもしれませんね。

おまけ

今回はマーリンがあの子にかかりっきりで、あまりアーサーとの掛け合い漫才がありませんでしたが、鍵のシーンはバカバカしくも面白くて和みましたv 

次回のタイトルは「エクスカリバー」。湖の乙女が悪役wのこのドラマ内でどうやって出すのかな?と思ったら、またもや変化球でした。お楽しみにv


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*1:メラディンとも表記

*2:「不死の者マーリン」「神聖なるマーリン」といった所でしょうか?

*3:まだ英語が確立していない時期

*4:翻訳というよりほとんどがジェフの創作だったようで、かなりドアラ的にフリーダムな感じだったようです

*5:発音はこのサイトをご参照ください。*矢印をクリックすると音が出ます

*6:アーサー王の死」ではモルドレッドの母は異母姉のモルゴース