映画スタートレック2でベネディクト・カンバーバッチが演じるのはカーン?

カーンと言うと…

惜しい。

Wikipedia先生によれば、こういうキャラクターだそうです。

カーン・ノニエン・シン(Khan Noonien Singh)はSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズの『宇宙大作戦』第15話『宇宙の帝王』に登場する架空の人物。遺伝子操作を受けた優生人類、独裁者。

経歴
20世紀末(1992年〜1996年)にアジア及び中東を支配した独裁者。広大な領土を有する帝国を築いたが(中略)自分から仕掛けた戦争はなく、虐殺も行わなかったという。

性格
傲慢で狡猾。他者に対して非常に高圧的だが、それに見合う統率力とカリスマ性を持っている。また、優生人類ではない普通の人間を見下している節がある。

おお、当たらずとも遠からず(こら)

名前がシンでターバンを巻いていた事もあるそうでシーク教徒のインド人をモデルにしたキャラクターのようです。テレビシリーズで演じた俳優さんはこんな感じ。

リカルド・モンタルバン(Ricardo Montalban)さん。メキシコ人。

1982年の映画「スタートレックII カーンの逆襲 Star Trek II: The Wrath of Khan」ではこんな感じ。

逆立ちしてもベネディクト・カンバーバッチには着こなせないハイ・ファッソン。大丈夫なのか。
JJエイブラムズ監督は、ベニチオ・デル・トロをはじめとしたラテン系の俳優からカーン役を探していたそうですが、なぜ青白くて馬面の缶ちゃんに落ち着いたのか。

エイブラムズは「ダークナイト方式を取り入れたい」と語っているので、ジョーカーのようにファンの間では知名度の高いヴィランを、元のヴィジュアルにはあまりこだわり過ぎず、自由な解釈で登場させようとしているもよう。
そこで、カーンの見た目ではなく内面に着目すると「遺伝子改良された優性人類で、独裁者で、天才・上から目線・傲慢・狡猾・でも根っからの悪人ではなく魅力もある(らしい)」・・・はい、yet another posh sociopathです。現代版シャーロック、フランケンスタイン博士を始めとした、ベネディクト・カンバーバッチのハマリ役そのまんまです。

元の配役では「優性人類」を有色人種が演じるというのが少し皮肉でもあり、面白い演出だったのではないかと思いますが、今回の映画版でイギリスという世界中を植民地化してきた国の本物のお坊ちゃんが演じてしまったら、全然シャレにならないのではないかという気もしないでもないです(こら)。
とはいえ、缶ちゃんの低くてよく通る声はヴィランには合いそうですよね。こうなったら、めいっぱいカーク船長やスポックに対していつもの上から目線を発揮してもらいましょうv

画像は、Star Trek 2の撮影風景と言われているパパラッチ写真。缶ちゃん、いたって普通の服装。古巣ファンの多いスタトレで、過去のヴィジュアルを完全無視しちゃってます。製作陣の割り切り方潔い!まあ、骨の髄からイギリス人のカンバーバッチさんの事なので「付け耳付けたり、特殊メークしたり、胸ががっぽり空いた衣装着なければいけないなら、この役は要りません」とか抜かしちゃった可能性もありますが!

ともあれ、まずは第15話『宇宙の帝王』と『スタートレックII カーンの逆襲』で予習ですね。
source: "Khaaaaaan!"(リンク先にネタバレがあります。ただし、スタトレを全く知らない人なら、読んでも大きな衝撃はないかもしれません)